大好きなきみへ、あの約束をもう一度
「今度、俺の大事なモンに手ぇ出したら……許さねぇから。せっかく同じクラスになれたんだし、もっと仲良くしようぜ」
その一言に、水を打ったように静まり返る。
そして、しばらくすると……。
「お、おー、海斗がそう言うなら……」
「そ、そうだよね、海斗くんの言う通りだよねっ」
海斗の言葉に、みんなが「うんうん」と頷く。
海斗は……やっぱり早織に似てる。
そこにいるだけで誰かを惹き付ける、光だ。
「ほら、湊もどこ行くんだよ?」
毒島さんを連れて教室を出ていこうとしている私を、海斗が苦笑いで引き止めてくる。
「逃走しようかと、思ってたんだけど……」
絶賛失敗しましたけどね。
もちろん、海斗のおかげで。
「やっぱりな……ったく、もっとうまく立ち回れ、その言い方だと、敵作るだけだぞ」
「だって、私そんなに器用じゃないし……」
この方法しか思いつかなかった。
でも、海斗の言う通りかも……。
私は皆にどう思われてもいい、でも下手したら毒島さんがもっとみんなに邪険にされてたかもしれなかったよね。
「ごめん、反省してる」
「あのなぁ……俺は、湊が周りから責められるのが見てられなかったんだよ、だから謝るなって、な?」
ワシャワシャと頭を撫でられると、子供に戻ったみたいになる。
なぜか、甘えたくなるから不思議だ。