【企&短】歩くんのヒミツ


「ねぇねぇ、歩くん」



休み時間のたびに、私は同じクラスの彼の元へと向かう。



「...なんですか」



「ここ...教えて??」



「はぁ...またですか」



それは私の彼氏である、如月歩(きさらぎ あゆ)くんに宿題を教えてもらうため。

もちろん、これだけが理由じゃないよ。

大好きな歩くんと少しでも話したいがためのこと。



「1回しか言いませんからね」



「はーーい!!!」



私は元気よく手を挙げて返事をする。



「やめて下さい。それ、恥ずかしいです」



歩くんは私の挙げた手を指さして言った。



「あっ...はーい...」



それから私は大人しく?宿題を教えてもらった。



そんな私達の様子を見ていた友達の華(はな)が、



「本当よく2人付き合ってるよね」



なんて言葉を零す。



この言葉は、歩くんと付き合ってから数えれないほど言われている言葉。



「別にあなたに関係のないことじゃないですか」



歩くんはクールな表情を全く変えることなく言った。



「この学校の七不思議の1つになるわ」



「ななふしぎ??って?」



〝七不思議〟という言葉が分からず、問い掛ければ。

華も歩くんも私をスルー。



「ちょっと!無視しないでよ!!」



「はいはい」

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