【企&短】歩くんのヒミツ
「...なにしてるんですか」
「あっわ、歩くん!!」
絶対1人でニヤケていたの見られたよ...
恥ずかしすぎる。
私の顔はりんご見たく真っ赤に違いない。
顔の熱さが自分でも分かるよ。
「先に帰っててと言いましたよね」
けれど、歩くんはそんなことをスルー。
「言ったけど...」
一緒に帰りたかったんだもん。
「〝けど〟じゃありません。もう高校生なんだから1人で帰られるでしょ」
「...ごめんなさい」
1人で浮かれて、ニヤニヤして、終いには怒られてしまう始末。
そんな自分が恥ずかしくて、机に突っ伏した。
「なにやってるんですか」
「......」
「ねぇ、佐々木さん」
こんなことになるなら、大人しく帰るべきだった。
「由乃...」
そんな私に向けて、歩くんが名前を呼んだ。
普段は苗字呼びをする歩くん。
そのことに気を取られていたら、次の瞬間ぎゅぅと抱き締められた。
「あ、あ、歩くん!?」
恥ずかしすぎて落ち込んでいたのに...今度は別なことで恥ずかしさが急上昇。