【企&短】歩くんのヒミツ
「嬉しかった」
歩くんは私の耳元でそう呟くと、耳をカプっと優しく噛んだ。
「っ!!!!!」
「由乃...怒ってないから。...顔上げて??」
そんなこと言われても!!!
恥ずかしくて...上げられないよ!!!
そうこうしていると、今度は首に優しくキスを落とされた。
「あ、歩くん!」
恥ずかしさに耐えきれず、顔をあげると目の前には大好きな大好きな歩くんの姿。
カチャ──
歩くんは掛けているメガネを恥ずし、私の唇に優しくキスをした。
「んっ......」
「...由乃...好き...」
何度も甘く私の名前を呼ぶ。
そして甘く溶けてしまいそうな瞳で気持ちを伝えてくれた。
その度に私の心臓は煩くなる。
キスが終わり歩くんの表情を見れば、いつものポーカーフェイスは崩れている。
メガネを外した彼は、私に色んな表情を見せてくれるのだ。
「歩くん...好き...」
そんな歩くんが愛おしくて、私は彼をぎゅぅっと抱き締め気持ちを口にした。
「...可愛すぎですよ」
そんな私にまた歩くんは優しくキスを落とす。
「可愛いのはどっちだよぉぉ...」
彼氏の歩くんには敵わないや。
「さて、帰りますよ」
私的にはずっとこの時間が続いてくれた方が良いけれど...
歩くんはメガネを掛けて、帰る気満々。
「ちぇー...もっと歩くんと一緒に居たかったのになぁ」
「僕は別にそんなこと思わないですけど」
そんなこと言うもんだから、わざと頬を膨らませて拗ねたフリをしてみる。
この言葉が歩くんの本心じゃないことを知っているから。