【企&短】歩くんのヒミツ
「歩くん好き」
だからそんな彼が愛おしくて、人前で彼にしか聞こえない声で伝える。
すると一瞬視線が泳ぐが、ポーカーフェイスは保たれたまま、
「そうですか」
と流されてしまう。
けれどその後に、私にだけ聞こえる小さな声で、
「......僕はそれ以上ですが」
なんて言葉を私にくれた。
〝好き〟とか〝愛してる〟って単語を使わなくても。
遠回しに気持ちを伝えてくれる歩くん。
みんなは知らない、私だけが知っている歩くん。
そんな歩くんのヒミツは、私を虜にさせる──
E.N.D