エリート外科医の一途な求愛
「違います! さっきのは本当に嘘です! ただ、木山先生の言い方、本当に腹が立ったからっ……!」
「それで、嘘ついてまで、俺を庇ったのか?」
足を止めた各務先生が、上体を振り向かせて私に畳み掛ける。
私は一瞬、不覚にも返事に詰まった。
「か、庇うとか、そうじゃなくて。ただ、実力も関係ないとこで追い出すとか排除するとか……そんなの、巻き込まないで欲しいから」
言いながらさっきの腹立たしさを思い出し、脇に垂らした両手をギュッと握り締めた。
「君に深い理由がなくても、嬉しかった。ありがとう」
あまりにも素直にスマートなお礼を言われて、思わず口籠る。
柔らかい微笑みを浮かべる彼のどこに目を遣っていいかわからず、私は結局目を伏せた。
私の反応をゆっくり見つめた後、各務先生が肩を竦める。
「面倒に巻き込んで悪かったな」
「……木山先生はクズですけど、各務先生も悪いんですよ。なんでそこまで嫌われるんですか」
「仕方ないね。人間って言うのは、自分より上の人間を煙たがる生き物だから。俺が木山先生に嫌われるのは、医師として優れてるとか、彼より顔がいいとか……」
涼しい顔をして結構太々しいことをサラッと言いのけ、各務先生はスーツの上着を脱いだ。
「それで、嘘ついてまで、俺を庇ったのか?」
足を止めた各務先生が、上体を振り向かせて私に畳み掛ける。
私は一瞬、不覚にも返事に詰まった。
「か、庇うとか、そうじゃなくて。ただ、実力も関係ないとこで追い出すとか排除するとか……そんなの、巻き込まないで欲しいから」
言いながらさっきの腹立たしさを思い出し、脇に垂らした両手をギュッと握り締めた。
「君に深い理由がなくても、嬉しかった。ありがとう」
あまりにも素直にスマートなお礼を言われて、思わず口籠る。
柔らかい微笑みを浮かべる彼のどこに目を遣っていいかわからず、私は結局目を伏せた。
私の反応をゆっくり見つめた後、各務先生が肩を竦める。
「面倒に巻き込んで悪かったな」
「……木山先生はクズですけど、各務先生も悪いんですよ。なんでそこまで嫌われるんですか」
「仕方ないね。人間って言うのは、自分より上の人間を煙たがる生き物だから。俺が木山先生に嫌われるのは、医師として優れてるとか、彼より顔がいいとか……」
涼しい顔をして結構太々しいことをサラッと言いのけ、各務先生はスーツの上着を脱いだ。