エリート外科医の一途な求愛
『お疲れ』と声を掛けると、彼女はすぐに『あ』と口を開く。
「葉月さん、お疲れ様です。なんか、出勤したらすぐに附属病院のオペ室に来てくれって、教授が」
「え?」
医局へのお土産の入った紙袋をデスクに置きながら聞き返すと、美奈ちゃんは座ったまま私を大きく振り返っていた。
彼女の言葉が、私の頭の中で一気に外の物々しい空気と繋がる。
「何? なんかあったの?」
思わず一歩踏み出しながら訊ねたのに、美奈ちゃんの方はひょいっと肩を竦めるだけだ。
「実は、朝から緊急オペが入ってて。各務先生が執刀してるんです。その第一助手に、教授が入ってて」
「え!?」
あまりにビッグな話に、さすがに私もギョッと目を剥いた。
そりゃあもちろん、教授も頻度は少ないとは言え、月に数件はオペの執刀をしている。
その教授が各務先生の第一助手だなんて。
ウチの医局員なら、自分の予定を全部放棄してでも見たいと思うオペじゃなかろうか。
しかも、それだけ豪華な布陣で緊急オペとなると、相当難易度が高いと予想出来る。
「教授、先週からいらしてるアメリカの博士を院内案内するはずだったんですけど、そういうわけで出来なくなって。葉月さんに、対応お願いしたいと」
「わ、わかった。行ってくる!」
呼ばれた用件まで確認して、私は美奈ちゃんにお土産を託し、急いで医局を飛び出した。
「葉月さん、お疲れ様です。なんか、出勤したらすぐに附属病院のオペ室に来てくれって、教授が」
「え?」
医局へのお土産の入った紙袋をデスクに置きながら聞き返すと、美奈ちゃんは座ったまま私を大きく振り返っていた。
彼女の言葉が、私の頭の中で一気に外の物々しい空気と繋がる。
「何? なんかあったの?」
思わず一歩踏み出しながら訊ねたのに、美奈ちゃんの方はひょいっと肩を竦めるだけだ。
「実は、朝から緊急オペが入ってて。各務先生が執刀してるんです。その第一助手に、教授が入ってて」
「え!?」
あまりにビッグな話に、さすがに私もギョッと目を剥いた。
そりゃあもちろん、教授も頻度は少ないとは言え、月に数件はオペの執刀をしている。
その教授が各務先生の第一助手だなんて。
ウチの医局員なら、自分の予定を全部放棄してでも見たいと思うオペじゃなかろうか。
しかも、それだけ豪華な布陣で緊急オペとなると、相当難易度が高いと予想出来る。
「教授、先週からいらしてるアメリカの博士を院内案内するはずだったんですけど、そういうわけで出来なくなって。葉月さんに、対応お願いしたいと」
「わ、わかった。行ってくる!」
呼ばれた用件まで確認して、私は美奈ちゃんにお土産を託し、急いで医局を飛び出した。