エリート外科医の一途な求愛
「絶対付き添わないっていうのも不自然ですけど……。わざわざネタにされそうな状況を作らない方がいいです」
そう言いながら溜め息をつくと、各務先生も短く『ああ』と同意の返事をしてくれた。
後は当たり障りない会話をちょっとして、『お休み』の挨拶を最後に電話を切った。
各務先生と繋がっていた電波が切れて、ただの四角い器械になったスマホを手からコロンと床に転がし、私は膝を抱えて顔を俯けた。
無意識にお腹の底から大きな息を吐いた。
彼に『ズルい』と言わせてるのに。
想いを伝えられないままなのに。
二人でいる時は蕩けそうなくらい甘いからこそ、一人で過ごす夜は切なくて、この熱帯夜なのに夜風が肌寒く感じる。
心のどこかで、自分の想いをセーブしようとしてるのは私だ。
なのに、こうして会えない日が続くと、胸に広がるのは不安ばかり。
各務先生の気持ちを、信用出来ないわけじゃないのに。
私はいったい、なんの不安から逃れられないんだろう?
「……そばにいたい」
一人の時は意志に関係なく零れる独り言を、各務先生の前では言えないのはどうしてだろう。
私は、各務先生を想いながら一人冷たいベッドに入った。
そう言いながら溜め息をつくと、各務先生も短く『ああ』と同意の返事をしてくれた。
後は当たり障りない会話をちょっとして、『お休み』の挨拶を最後に電話を切った。
各務先生と繋がっていた電波が切れて、ただの四角い器械になったスマホを手からコロンと床に転がし、私は膝を抱えて顔を俯けた。
無意識にお腹の底から大きな息を吐いた。
彼に『ズルい』と言わせてるのに。
想いを伝えられないままなのに。
二人でいる時は蕩けそうなくらい甘いからこそ、一人で過ごす夜は切なくて、この熱帯夜なのに夜風が肌寒く感じる。
心のどこかで、自分の想いをセーブしようとしてるのは私だ。
なのに、こうして会えない日が続くと、胸に広がるのは不安ばかり。
各務先生の気持ちを、信用出来ないわけじゃないのに。
私はいったい、なんの不安から逃れられないんだろう?
「……そばにいたい」
一人の時は意志に関係なく零れる独り言を、各務先生の前では言えないのはどうしてだろう。
私は、各務先生を想いながら一人冷たいベッドに入った。