エリート外科医の一途な求愛
「それとも、君は各務先生から遅れて行くの?」
「……はい?」
一瞬、何を言われたのかわからない。
言われた私はもちろん、彼と話をしていた美奈ちゃんも、大きく目を丸くして何度も瞬きをした。
「えっ!? 葉月さん、医局辞めちゃうんですか!?」
先に反応したのは美奈ちゃんの方だ。
さっき各務先生の渡米を聞いた時よりもずっと驚いている。
彼女に素っ頓狂な声で聞かれて初めて、私の方も我に返った。
「な、なんで。辞めない。そんなこと一言も言ってないよ」
「え? だって葉月さんの送別会って……」
「~~木山先生! 嫌がらせもいい加減にしてください。今度は私を追い出したいんですか!?」
美奈ちゃんに慌てて説明している間に、私の混乱も強まる。
気付いたら苛立つまま、ニヤニヤ笑っている木山先生にそう怒鳴っていた。
「各務先生を追い出したら、次は目障りな私ですか」
そう畳み掛けながら、勢いで思わず立ち上がる。
興奮し掛ける私とは真逆に落ち着き払った表情で、木山先生が白衣のポケットに両手を突っ込んだ。
「酷い言い草だなあ。だって君、各務先生と一緒に行くんじゃないの? アメリカに」
シレッとした様子で言い返されたのは、そんな言葉。
私はハトが豆鉄砲状態でポカンと口を開けた。
頭の中が真っ白になって呆けてる間に、美奈ちゃんが『えっ!?』とひっくり返った声で聞き返している。
「……はい?」
一瞬、何を言われたのかわからない。
言われた私はもちろん、彼と話をしていた美奈ちゃんも、大きく目を丸くして何度も瞬きをした。
「えっ!? 葉月さん、医局辞めちゃうんですか!?」
先に反応したのは美奈ちゃんの方だ。
さっき各務先生の渡米を聞いた時よりもずっと驚いている。
彼女に素っ頓狂な声で聞かれて初めて、私の方も我に返った。
「な、なんで。辞めない。そんなこと一言も言ってないよ」
「え? だって葉月さんの送別会って……」
「~~木山先生! 嫌がらせもいい加減にしてください。今度は私を追い出したいんですか!?」
美奈ちゃんに慌てて説明している間に、私の混乱も強まる。
気付いたら苛立つまま、ニヤニヤ笑っている木山先生にそう怒鳴っていた。
「各務先生を追い出したら、次は目障りな私ですか」
そう畳み掛けながら、勢いで思わず立ち上がる。
興奮し掛ける私とは真逆に落ち着き払った表情で、木山先生が白衣のポケットに両手を突っ込んだ。
「酷い言い草だなあ。だって君、各務先生と一緒に行くんじゃないの? アメリカに」
シレッとした様子で言い返されたのは、そんな言葉。
私はハトが豆鉄砲状態でポカンと口を開けた。
頭の中が真っ白になって呆けてる間に、美奈ちゃんが『えっ!?』とひっくり返った声で聞き返している。