エリート外科医の一途な求愛
「大丈夫。まだテストだから。どっちにしても音声は使われないし、話し続けていいよ」
そうは言われても。
テストだとわかっていても、もうカメラが回ってるなら、このまま各務先生に言い募るのもどうなんだ。
カメラを気にして素直に腰を下ろす私を見て、各務先生はフフッと笑った。
私はすっかり勢いを失い、しっかりと正座し直して肩を強張らせた。
なのに、各務先生は頬杖を解いただけで私を見据えてくる。
「ほら、いいから続けて。俺は木山先生にどう思われようがどうでもいいんだけど。どうして君に、ムキになって文句言われなきゃならない?」
軽く顎でしゃくりながら続きを促されて、私はゴクッと喉を鳴らした。
そして、意を決して顔を上げる。
「私、実際、病棟ナースに囲まれる各務先生を見て、木山先生の言い分も全部間違ってるわけじゃないなと思いました。……ね、高瀬さん! 高瀬さんも『医者が囲まれてるようには見えない』って言いましたよね!?」
いきなり私から話を振られた高瀬さんが、部屋の隅でビクッと身体を震わせるのがわかる。
『あー』と反応する声に、各務先生がチラリと横目を向けた。
そうは言われても。
テストだとわかっていても、もうカメラが回ってるなら、このまま各務先生に言い募るのもどうなんだ。
カメラを気にして素直に腰を下ろす私を見て、各務先生はフフッと笑った。
私はすっかり勢いを失い、しっかりと正座し直して肩を強張らせた。
なのに、各務先生は頬杖を解いただけで私を見据えてくる。
「ほら、いいから続けて。俺は木山先生にどう思われようがどうでもいいんだけど。どうして君に、ムキになって文句言われなきゃならない?」
軽く顎でしゃくりながら続きを促されて、私はゴクッと喉を鳴らした。
そして、意を決して顔を上げる。
「私、実際、病棟ナースに囲まれる各務先生を見て、木山先生の言い分も全部間違ってるわけじゃないなと思いました。……ね、高瀬さん! 高瀬さんも『医者が囲まれてるようには見えない』って言いましたよね!?」
いきなり私から話を振られた高瀬さんが、部屋の隅でビクッと身体を震わせるのがわかる。
『あー』と反応する声に、各務先生がチラリと横目を向けた。