honey sugar*〜君がくれた贈り物〜
1口目
___カランカラン
「いらっしゃいませ。配達屋さん」
君はいつも花が咲いたような笑顔で
僕を向かい入れてくれる。
まぁ、仕事なんだけど。
「こんにちは。ここに、受け取りのサインをお願いします」
____カランカラン
「いらっしゃいませ」
入店のベルと共に入ってきたお客さんは無愛想な小柄なおじさん。
不機嫌なように見えるのは僕だけじゃないはず。
「いつものクロワッサンを3つ包んでくれ」
「かしこまりました。あの、配達屋さん。少し待ってもらっても大丈夫ですか?」
困ったような目で見られたら僕は頷くことしかできない。
幸いこれを配り終えたら一区切りだった。
「いつもありがとう。小麦ちゃん」
「こちらこそ、いつもありがとうございます」
丁寧にお客様にお辞儀をして顔を上げた君はとてもいたずらっ子のような笑みを浮かべていた。
その日、僕が君に恋に落ちて...半年が経っていた。