暗黒王子と危ない夜
男子生徒が3人。
距離があるせいで顔まではハッキリと見えないけど、中島くんと同じ制服を着ている……。
つまり、"西高"の……。
あたしは狙われるって、本多くんが言ってたのを思いだす。
まさか。ドラマでもあるまいし、と。真に受けることはなかった。
だけどここへ来て、もしかしてと身震いしてしまう。
あの3人が本多くんと関係のある危険な人たちかどうか、まだ分からないけれど
────なんとなくイヤな予感がした。
悲しいことに、こういう予感ほど当たるもの。
スマホを片手に会話しながら歩いている彼らを、扉のガラス越しに目で追いかけた。
「ねえ」
後ろから肩を叩かれてはっと我を取り戻す。
出入り口を塞いでしまっていたことに気づき、慌てて振り向き頭を下げた。
「す、すみません! 邪魔でしたよね……っ」
「いや大丈夫。……俺だから」
「……あ」
そこに立っていたのは中島くんだった。あまりの緊張に周りも見えなくなってしまってたみたい。
「どーしたの。そんな真っ青になって」