深夜プラットホーム街
ゆっくりと振り向けば、そこには笑顔で微笑む鬼が私を見下ろしてる。
「に、二階堂先生~おはようございます~」
うふふと上品に笑ってみる。
「あほか」
が、一蹴された。
本当に面白くない先生なんだから!
「にかちゃん先生~見逃して!今直してる最中じゃん!」
「にかちゃんじゃないだろ、二階堂だ。よけいに怒られたいのか」
にかちゃん先生……二階堂先生は生物の教師で、いつも眼鏡に白衣姿。
さらには長身でイケメンときてるから、女子から絶大な支持を得ている。
だけど、そんなことを鼻にかけるわけでもなく、クールで淡々としていて、まあ授業も上手だから男子からもそこそこ好かれる。
つまりは、完璧な教師だ。
面白くないし、すぐに注意してくるから、私はあまり好きじゃない。
そう言うと、みんなからは私の絡み方が悪いとか、注意されるようなことするから悪いとか言われる。
にかちゃん先生なんて呼ぶのも一部の人だけだし、確かにそうかもしれないけどさ。