シークレット
私という人間



「沢野~これやっといてくれ、頼む」


「えー、報酬は?」


「…晩飯おごる」


「乗った。期待してる」


そう言って同期で飲み友達の秦野と取引をしてから給湯室へ向かうと、同じ同期の友達の中田佳奈がいた。


「へぇ~やっぱりあんたたち仲いいよね~」


「何?聞いてたの?」


ニヤニヤしながら佳奈が秦野との仲を疑ってくる。


「別にあいつとは何もないって~。何なら一緒に来る?」


「えー、どうしようかな。とりあえずあっちに聞いてみる」


そのまま少し冷めたコーヒーを持って佳奈は出て行った。


あの調子じゃ来るだろうな、と思いつつ私も自分のコーヒーを入れて席に戻った。





< 4 / 14 >

この作品をシェア

pagetop