特進科女子と普通科男子
宮ちゃんとの出会いは、中学一年生の時。
私は昔から男の子にからかわれやすくて、年下の子や同級生、年上の子達にまで、いつも苛められていた。
苛めといっても、子供らしいことだけで。
例えば、帽子を奪って返してくれないとか。
「ブス」「のろま」なんて悪口を言われたりだとか、そんなことだけど。
当時の私はそれがすごく嫌で、怖くて。
ーー男の子は乱暴で意地悪。
そういう定義が、いつの間にか出来上がっていた。
「ほーら、悔しかったら取ってみろー」
「か、返して……」
「えー?聞ーこーえーまーせーん!」
女の子達は呆れたように、くすくすと笑うだけで助けてはくれない。
酷い時には「男子の気を引きたいだけでしょ?」と誤解されて、睨まれたりもした。
( ……誰も、味方なんていないんだ )
いつしか、そう思うようになった。