特進科女子と普通科男子
6
ーー宮ちゃんの頬に掛かった髪を取る。
いつも強気な彼女は、こうして眠っている時はものすごく無防備で、少し幼く見えた。
「さっき、どうやって宮ちゃんを止めたんですか?」
くるっと振り向いて、尋ねる。
私が殴られること以外で宮ちゃんが止まるなんて。
少しだけ期待して、縋るように相良君を見つめる。
すると、相良君は困ったように「うーん」と首を捻り、苦笑い。
相良君は普通科の女の子達の方を止めていたから、多分美鈴君が宮ちゃんを止めたんだよね?
そう思って、(直視は出来ないから)相良君の隣で椅子に腰掛ける美鈴君をちらちらと盗み見る。
彼は視線に気付いてないのか、素知らぬふりで窓を眺めている。
……ただしカーテンは閉まっているから、不自然極まりない。
「お願い……その方法なら、宮ちゃんを助けられるかもしれないの」
何をしても止まらない彼女を止めた、唯一の方法。
そしてそれは、美鈴君なら出来るかもしれないということ。