特進科女子と普通科男子
「あの……どうして謝るの?」
二人にそう尋ねた時、後ろから「ん……」と宮ちゃんの声がして、慌てて振り向く。
「宮ちゃん!」
彼女はまだ覚醒していないらしく、とろんとした顔で、暫く天井を見つめていた。
「宮ちゃん、おはよう。気分はどう?」
私に気付いた彼女は起き上がろうとして。
「ん……由李ーーいっ!」
呻きながらお腹を押さえ、ばふっと音を立てて、またベッドに倒れ込んだ。
「え、宮ちゃん!?」
彼女は涙目で、ふぅー、ふぅーっと息を吐き出して、痛みを落ち着かせるように何度もお腹を摩っている。
「お腹?お腹痛いの?」
「……あはは。大丈夫ー」
「ほ、本当に?無理しないで」
彼女は、「大丈夫、大丈夫」と今度はゆっくりと上体を起こした。
そしてある一点に目をやると、びっくりしたように目を丸くした。
彼女の視線の先には、苦笑する相良君と、つんとすました顔の美鈴君。
彼女は直ぐ気を失ったから、状況を説明しなきゃと思って、私は口を開けた。