特進科女子と普通科男子
低く響くような声が、蘇る。
私は夢中で、彼の名を呼んだ。
「相良君っ……!」
「ーーうん、もう大丈夫」
どごっと鈍く重い音がして、腕の拘束が解ける。
「ゔぅっ……!」
呻きながら崩れ落ちるように、男の子が私の視界から消える。
その向こうには、大好きな人の姿。
「良かった……無事で」
伸ばした手を優しく掴んで引き寄せられ、暖かい温もりに包まれる。
溢れる涙は、もう止まらなかった。