特進科女子と普通科男子
( ……やっぱり、珍しい )
今まで美鈴の彼女は、大人の女性ばかりだった。
美鈴が大人びているから、自然とそうなっていたんだろうけど。
だから、明るくて強気な雰囲気の宮日ちゃんとの組み合わせは、本当に新鮮だ。
……ていうか、二人は知り合い?
ぐす、と涙を流し続ける宮日ちゃんに、酷だと知りつつ尋ねる。
( 今聞くのは、ずるいかもしれないけど )
「……聞いていい?」
真剣な表情で見つめると、彼女は何か察したように頷いた。
「宮日ちゃんてさ……二重人格?」
俺がそう聞いても、やはり宮日ちゃんの表情に驚きはなくて。
ベッドで眠る由李ちゃんを優しく見つめながら、その手をそっと握った。
「……そんな、大層なものじゃないよ」
少し間を置いて、覚悟を決めたように、宮日ちゃんは話し出した。
「暴走族の総長やってただけ」