特進科女子と普通科男子

ーーバァーーンッ!!

と盛大な音に、私も相良君も声すら出せないほど驚いて肩を揺らした。

私はどんっと相良君の胸を押して距離をとる。

さっきまでの状態を思い出して、顔を真っ赤に染める。

( あ、今……今ーーっ! )

優しく、どこか意地悪に微笑む顔に見蕩れていた。

どんどん近付く距離に、全て身を委ねたくなった。

そんな自分をはっきり理解すると、一気に顔に熱が集まって、冷ますようにぱたぱたと手で仰ぐ。

「手が早いのは、どっちですかー」

「げ、美鈴」

扉に寄りかかるようにして、にやにや笑う美鈴君と。

見られていたのに恥ずかしがることもなく、むしろ恨めしそうな表情の相良君の声。

私は緊張が解けて、今にも足が崩れてしまいそうになる。

「由李、大丈夫?相良君て、手が早いらしいから……」

「え、宮日ちゃん、それ誰情報?」

「くっくっく……」

「お前か」

美鈴君が楽しそうに笑っている。

その意地悪な笑みに、「あぁ、上手くいったんだ」と理解する。
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