◆あなたに一粒チョコレート◆
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月曜日。

「バニラ?!……なんか秘密の匂いがするわね!」

「でしょ?!私の質問を無視したんだよ?!怪しい!」

翌日、私は学食のテーブルに肘をついて、真正面に座る菜穂を見つめた。

「なんか隠してるっぽいのよね」

「バニラの香りなんて、女子だよね。しかも近寄っただけで移らないでしょ匂いは」

「てことは……近寄る以上の事をしたわけ?!瑛太が?!あの短時間で?!」

「誰と?」

「さあ」

私が首をかしげると、菜穂は学食の天井を仰いで眉間にシワを寄せた。

「浅田を好きな女子はいっぱいいるの知ってるけどさ、浅田に好きな子がいるとか、彼女がいるとかは聞いた事ないよね」

瑛太に好きな人?!

瑛太に、彼女?!

「春。あんた知らないの?」

「知らないよ」

「幼馴染みなのに?!」

「だってそんな話、しないもん」
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