◆あなたに一粒チョコレート◆
「あ……」
サッカー部の鮎川君だ。
この間告白されたのに断っちゃったから……なんか気まずい。
「あのさ」
「うん」
ぎこちなく見上げると、鮎川君は制服のポケットに両手を突っ込みながら照れたように短く言った。
「……フラれたのに誘うなんてしつこいかも知れないけど……来週の土曜日、北高と練習試合なんだ。うちのグラウンドでやるからさ、もしよかったら見に来てくれない?」
瑛太も目立つけど、鮎川君も相当目立つ。
スラリとした長身にサラサラの茶髪、どちらかというと可愛い系の甘い顔立ち。
女子達の中で《王子》と呼ばれているだけあって、なんか眩しい。
後光が射してる。
「あ、の……」
返事に困って目の前の菜穂を見上げると、その後ろのテーブルに集まっていた女子が私達をガン見しているのに気付いた。
なんか……話聞かれてるっぽい……。
「鮎川。春は暇だから、ガンガン誘ってやって」
「ちょ、菜穂!」
「因縁の対決でさ、北高との練習試合は結構なギャラリーなんだ。だから気軽に来てくれると嬉しいんだけど……友達として」
サッカー部の鮎川君だ。
この間告白されたのに断っちゃったから……なんか気まずい。
「あのさ」
「うん」
ぎこちなく見上げると、鮎川君は制服のポケットに両手を突っ込みながら照れたように短く言った。
「……フラれたのに誘うなんてしつこいかも知れないけど……来週の土曜日、北高と練習試合なんだ。うちのグラウンドでやるからさ、もしよかったら見に来てくれない?」
瑛太も目立つけど、鮎川君も相当目立つ。
スラリとした長身にサラサラの茶髪、どちらかというと可愛い系の甘い顔立ち。
女子達の中で《王子》と呼ばれているだけあって、なんか眩しい。
後光が射してる。
「あ、の……」
返事に困って目の前の菜穂を見上げると、その後ろのテーブルに集まっていた女子が私達をガン見しているのに気付いた。
なんか……話聞かれてるっぽい……。
「鮎川。春は暇だから、ガンガン誘ってやって」
「ちょ、菜穂!」
「因縁の対決でさ、北高との練習試合は結構なギャラリーなんだ。だから気軽に来てくれると嬉しいんだけど……友達として」