◆あなたに一粒チョコレート◆
****

「うはははは!最高!あのエースで四番のイケメンもごくごく普通の男の子だったわけだ」

「一瞬だけだったけどさ、なんかもう、すっごいエロかった!信じられないよ!瑛太のクセに!」 

昼休み、中庭のベンチでお弁当を広げながら、私は人気の無いのをいいことに毒ついた。

「別にいーじゃん!もう高校生だよ?当たり前の反応でしょうが。私の今カレなんて、堂々とDVDを」

「分かってるよ、頭では!この間だってクラスの男子が回し読みしてた漫画雑誌にそーゆー系が載ってたの見えたし」

「じゃあ、別に浅田が見てもよくない?」

「……」

それは……嫌。

なんか分かんないけど。

他の男子なら平気でも、瑛太だと……なんか変な感じで。

「じゃあさ、浅田にバニラの匂いの彼女がいたら?それはいいわけ?!」

菜穂の言葉に身体がビクッとした。

「それは……瑛太はモテるし、彼女が出来てもおかしくないし」

「じゃあ、彼女と抱き合ったりキスしたりは?」
< 24 / 87 >

この作品をシェア

pagetop