◆あなたに一粒チョコレート◆
****

で、再び現在。

二時間目が終わったばかりの休み時間。

「ぶ、ぶはははははっ!」

「笑い事じゃないよっ!」

「で、春はこの寒空の中、屋上なんぞで一時間目をサボったってわけか」

菜穂はニヤニヤしながら男子達の中にいる瑛太に視線を投げた。

「だって気まずいじゃん」

「いやー、実に興味深いわ」

「は?!なにその感想!」

「許してやんなよ、可愛いじゃん」

「可愛くない!身体ばっかデカくなって、なんか生意気!」

「そーかなー。浅田は頑張ってると思うけど」

「頑張る方法間違えてるよ、あのバカは」

「ふふふふ……まあ、色々あるから青春なんだよねー……」

菜穂の言葉の意味は不明だったけど、私は決めた。

瑛太がちゃんと謝ってくるまで喋ってやらないって。
< 39 / 87 >

この作品をシェア

pagetop