◆あなたに一粒チョコレート◆
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一時間後。

対戦相手の敬清高校がグラウンドに到着し、ウォーミングアップを始めた。

今頃は、サッカー部の相手チーム……北高も到着してるんだうな。

さっき山内君が声をかけてきてサッカー部は九時半キックオフだって言ってたから、そろそろ始まる時間だ。

私は近くにいた三木さんに声をかけてから、南側のサッカーコートへと向かった。

向かった……のだけど、なにこの人だかり。

凄い数のギャラリーに圧倒されて、私はコートの手前で足を止めた。

野球部のギャラリーも凄いけど、サッカー部も凄い。

どうやら今日は近隣の中学からも生徒が見学に来ているらしく、とてもじゃないけど石段を降りてコートに近づく事ができない。

どこだろう、鮎川君は。

コート内ではうちの部員たちがシュート練習やドリブルをはじめ、ペアを組んでのボールの奪い合いなど、最後の練習をしていた。

そんな中、

「川瀬!」

辺りに凛とした声が響き、コートから鮎川君が私を見付けて手招きした。

あ……。
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