◆あなたに一粒チョコレート◆
『とうとうバレンタインデーだね。三木さん頑張ってね』
『うん、色々相談に乗ってくれてありがとう。頑張るね』
私は三木さんのLINEを読んで、微笑んだ。
上手くいけばいい。三木さんも、菜穂も。
菜穂といえばこのところ、私と瑛太の様子を見ては眉を寄せている。
「あんたさあ、なんか思うことはないの?!」
「思うこと……」
「浅田とこんなんでいいのかっつってんの。バニラの女にあんな事言われてさ、ホイホイ言うこと聞くわけ?」
あの練習試合の日の一件から険悪なムードは脱したものの、やっぱり瑛太と私の距離は縮まらなかった。
「バニラ女子は、谷口架純さん」
「名前なんかどーでもいーわ。私ね、初対面でそういう態度とるような女、嫌いなの」
私は教室のベランダから中庭を眺めると、隣で柵に身を預けていた菜穂を見た。
「確かに最初はムカついたよ。でもさー、初対面の相手にあんな風に強く言っちゃうくらい瑛太が好きなんだと思うとなんか……」
「なんか、なに?!ただの性格ブスとしか思えないけど!」
「……なんか、健気というか」
『うん、色々相談に乗ってくれてありがとう。頑張るね』
私は三木さんのLINEを読んで、微笑んだ。
上手くいけばいい。三木さんも、菜穂も。
菜穂といえばこのところ、私と瑛太の様子を見ては眉を寄せている。
「あんたさあ、なんか思うことはないの?!」
「思うこと……」
「浅田とこんなんでいいのかっつってんの。バニラの女にあんな事言われてさ、ホイホイ言うこと聞くわけ?」
あの練習試合の日の一件から険悪なムードは脱したものの、やっぱり瑛太と私の距離は縮まらなかった。
「バニラ女子は、谷口架純さん」
「名前なんかどーでもいーわ。私ね、初対面でそういう態度とるような女、嫌いなの」
私は教室のベランダから中庭を眺めると、隣で柵に身を預けていた菜穂を見た。
「確かに最初はムカついたよ。でもさー、初対面の相手にあんな風に強く言っちゃうくらい瑛太が好きなんだと思うとなんか……」
「なんか、なに?!ただの性格ブスとしか思えないけど!」
「……なんか、健気というか」