◆あなたに一粒チョコレート◆
「そうなの?!詳しいじゃん」

「そうよ!この間、職員室で野球部顧問の福井がサッカー部の顧問に自慢してたもん」

へえー……。

菜穂はまだ続ける。

「加えて整ったカッコいい顔。明るいけどチャラチャラしてないしね。それに浅田、人を真っ直ぐに見つめるじゃない?それに勘違いする女子が続出してるのよ」

……確かに私はよく、学年を問わず女子達に瑛太の事を尋ねられる。

誕生日とか、血液型とか、趣味とか。

瑛太がモテるのは分かるし理解もしている。

中学の頃から男女問わず人気者だったし。

高校入学してからグングン背が伸び始めて顔つきも男っぽくなり、輪をかけてキャーキャー言われるようにもなっていって。

この頃からあまり女子の前ではバカをやらなくなったけど、それが逆にカッコいいとかいうコが多くて。

でも。でもね。

「フッ」

私が思わずニヤリと笑うと、今度は菜穂が眉を寄せた。

「なに、不気味」
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