【短】キスだけじゃ足りない。




―ガチャッ




ベッドでうつ伏せになっていると、部屋のドアが開いた。




どうせお母さんか。




私はドアの方を見もせず、うつ伏せになったまま言った。




「何…?」




返事が返ってこないかわりに、足音が近づいてきた。




「ねぇ、何!?」




返事が返ってこないことにイラついた私は、起き上がった。




「どうして…」




「それは俺のセリフだよ。」




目の前には、お母さんじゃなく、斎がいた。




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