スターチス
同期みんなで始まったルームシェア。
気が付けば3人になってて、ついこの間とうとう2人になった。
それと同じタイミングで同居人への気持ちに気付き、ルームシェアなのか同居なのかわからない生活が始まった。
そして、今日は少し部屋を小さくした新居へお引越しの日。
「ちょー疲れた…」
「なに言ってんのよ!まだ服の整理とかしなきゃなんないのよ?」
元同居人であり今は大好きなお姉ちゃんとなっているソラ姉に手伝ってもらってようやく見た目だけは片付いたこの部屋。
2LDKで結構広い。
「2LDKで部屋は別々なんだ」
「うん」
ソラ姉から出てくる言葉にドキドキしながら返事をする。
ぐるっと部屋を見渡してから考えるように腕を組み、何か思いついたのか納得したように頷いた。
「まぁ結婚したわけじゃないし、それもアリか」
ニヤニヤするソラ姉にビクビクする。
なんだかよからぬことを思ってそうで怖い。
ハジメくんが出て行った日、思い出の詰まった部屋を出て行こうとしたあたしに告白というカミングアウトをしたユーイチ。
そんなユーイチの言葉で自分の気持ちに気付いたあたし。
あの日からあたしは事実上、“恋人”になった。
恋人、というのは恋愛する相手のことをいう。
そう、恋愛する人のことをいうんだけど、あたし達はあの日にキスをして以来なにも恋人らしいことはしていない。
あの後も普通に何事もなかったかのように過ごして寝た。
そしたらまた慌しい毎日が来て、バタバタしてたらすれ違いの日が続いてた。
たまに帰りが一緒になると一緒にご飯を食べて晩酌して。
部屋を変えようって話になったのもユーイチが思い出したように言いはじめて。
あたしも2人であの家賃は高いし部屋も数がありすぎるって思ってたし、賛成だった。
そしたら“場所はサチに任せる”って言って放置。
会社が同じだから通勤に不便なところには絶対しないってのはわかってるんだろうけど、それにしても2人で暮らす部屋なんだから一緒に探そうとかそういうのはないの?!ってイラッとしたのは覚えてる。
なんで2人で住むところなのにあたし1人で決めなきゃいけないの?協力してくれないの?って思ってた。
それを口に出せばよかったんだけど、言えなかったあたしはソラ姉に相談した。
じゃあ、意外な答えが返ってきて驚いた。
“2人で暮らす場所を探すんだぞ?そんなの俺がウキウキしながら探してたら気持ち悪いだろ。一応候補はある。絶対電話してくると思うからそれは伝えてて”
と、ユーイチがソラ姉に電話で言ったらしい。
確かにクールで普段無表情なユーイチがあたしと住む部屋をウキウキしながら探してる姿は想像できない。てか、したくない。
見たいって気持ちはあっても実際見るのとは訳が違う。
そんなことをソラ姉から聞いちゃったもんだから翌日、晩ご飯をお呼ばれしたついでに部屋のことも聞いた。
「ちゃんと用意してあったんだよ。あんなこと言いながら。内心ウキウキしてたんだって」
ソラ姉は笑いながら言うけど、ちゃんと探してくれてたことに感動した。
本当に丸投げしかねないユーイチだったから本気で不安だった。
ユーイチの探してきてた場所は駅近で窓も他の建物に遮られることなく陽が入る場所。
二部屋とも洋室でダイニングが大きい部屋。
ユーイチが出張で出かけて1人でも寂しくないように、誰かを呼べるようにしてくれたんだって思っちゃうような間取り。
あたしは即決だった。
気が付けば3人になってて、ついこの間とうとう2人になった。
それと同じタイミングで同居人への気持ちに気付き、ルームシェアなのか同居なのかわからない生活が始まった。
そして、今日は少し部屋を小さくした新居へお引越しの日。
「ちょー疲れた…」
「なに言ってんのよ!まだ服の整理とかしなきゃなんないのよ?」
元同居人であり今は大好きなお姉ちゃんとなっているソラ姉に手伝ってもらってようやく見た目だけは片付いたこの部屋。
2LDKで結構広い。
「2LDKで部屋は別々なんだ」
「うん」
ソラ姉から出てくる言葉にドキドキしながら返事をする。
ぐるっと部屋を見渡してから考えるように腕を組み、何か思いついたのか納得したように頷いた。
「まぁ結婚したわけじゃないし、それもアリか」
ニヤニヤするソラ姉にビクビクする。
なんだかよからぬことを思ってそうで怖い。
ハジメくんが出て行った日、思い出の詰まった部屋を出て行こうとしたあたしに告白というカミングアウトをしたユーイチ。
そんなユーイチの言葉で自分の気持ちに気付いたあたし。
あの日からあたしは事実上、“恋人”になった。
恋人、というのは恋愛する相手のことをいう。
そう、恋愛する人のことをいうんだけど、あたし達はあの日にキスをして以来なにも恋人らしいことはしていない。
あの後も普通に何事もなかったかのように過ごして寝た。
そしたらまた慌しい毎日が来て、バタバタしてたらすれ違いの日が続いてた。
たまに帰りが一緒になると一緒にご飯を食べて晩酌して。
部屋を変えようって話になったのもユーイチが思い出したように言いはじめて。
あたしも2人であの家賃は高いし部屋も数がありすぎるって思ってたし、賛成だった。
そしたら“場所はサチに任せる”って言って放置。
会社が同じだから通勤に不便なところには絶対しないってのはわかってるんだろうけど、それにしても2人で暮らす部屋なんだから一緒に探そうとかそういうのはないの?!ってイラッとしたのは覚えてる。
なんで2人で住むところなのにあたし1人で決めなきゃいけないの?協力してくれないの?って思ってた。
それを口に出せばよかったんだけど、言えなかったあたしはソラ姉に相談した。
じゃあ、意外な答えが返ってきて驚いた。
“2人で暮らす場所を探すんだぞ?そんなの俺がウキウキしながら探してたら気持ち悪いだろ。一応候補はある。絶対電話してくると思うからそれは伝えてて”
と、ユーイチがソラ姉に電話で言ったらしい。
確かにクールで普段無表情なユーイチがあたしと住む部屋をウキウキしながら探してる姿は想像できない。てか、したくない。
見たいって気持ちはあっても実際見るのとは訳が違う。
そんなことをソラ姉から聞いちゃったもんだから翌日、晩ご飯をお呼ばれしたついでに部屋のことも聞いた。
「ちゃんと用意してあったんだよ。あんなこと言いながら。内心ウキウキしてたんだって」
ソラ姉は笑いながら言うけど、ちゃんと探してくれてたことに感動した。
本当に丸投げしかねないユーイチだったから本気で不安だった。
ユーイチの探してきてた場所は駅近で窓も他の建物に遮られることなく陽が入る場所。
二部屋とも洋室でダイニングが大きい部屋。
ユーイチが出張で出かけて1人でも寂しくないように、誰かを呼べるようにしてくれたんだって思っちゃうような間取り。
あたしは即決だった。