3年分の甘い時間
「岡部さんに伝えたい事があったんです。酔っ払ってしまう前に、言いますね。」
隣に座ってみたものの、なかなか話しかけられずにいると、篠崎課長から話しかけてくれた。
「・・・な、なんでしょうか?」
「毎日コーヒースタンバイありがとう。あれって、別に義務でもないよね?担当とかもないし。いつも朝早いなって思ってはいたんだ。たまたま朝早く出勤した時に、手際よくスタンバイしてる所を見てさ!」
驚きだった。私なんかを気に止めた時があった事にも、ありがとうと言われた事にも。
朝コーヒーが飲める状態を当たり前だと思ってる社員がほとんどだろう。誰も疑問に思わない。初めの頃は正直スッキリしない気分ではあったが、今となっては朝のルーティーンだ。なんて事無い。
「ははは!固まるなよ〜!本当いつ言おうかって迷ってたんだよな~。正直岡部さんに嫌われてる気がして話しかけられなかったんだよ。」
「き、!!嫌うわけないじゃないですか!」
課長にまさか、嫌われてるなんて言われると思わなかった。逆ですよ課長。