陽だまりの林檎姫
「ミライ?」
予想外の来客に栢木もマリーも入り口に注目し、マリーが扉を開けたことでミライの姿が見えた。
「あら、マリーさん。」
「ミライ、貴女どうしたの?」
「マリーさんこそ、ここに居たんですね。」
奇遇だとカラカラ笑いながらトレイを手にしたミライが部屋の中に入ってくる。
「あ、やっぱり体調悪かった?」
若いミライの明るく元気な声は、さっきまでの部屋の空気を入れ替える力があった。
顔色が悪い栢木を覗きこんで確認するやいなや、トレイを机の上に乗せて鼻歌を歌いながら何やら準備を始めた。
「やっぱり?」
ミライの言葉の意味が分からずに栢木は自然と疑問符が口に出す。
「うん。今朝ね、北都様に言われたのよー。栢木の体調が悪そうだから看といてくれみたいな事をさ。」
何てことない話だと、気持ちの距離を縮めるミライの話し方が心地よい。
ミライは振り返り栢木の額に手を当て納得の声を漏らした。
「うん。熱はないね、じゃあ疲れかな?」
少し安心したように笑い、少し乱れた栢木の前髪を直してあげると体を起こす。
「ミライ、本当に北都様がそう仰ったの?」
ミライの言葉が信じられないマリーは彼女の腕に触れ、動きを止めてまで確認した。
マリーの態度に共感するようにミライは笑顔で頷く。
予想外の来客に栢木もマリーも入り口に注目し、マリーが扉を開けたことでミライの姿が見えた。
「あら、マリーさん。」
「ミライ、貴女どうしたの?」
「マリーさんこそ、ここに居たんですね。」
奇遇だとカラカラ笑いながらトレイを手にしたミライが部屋の中に入ってくる。
「あ、やっぱり体調悪かった?」
若いミライの明るく元気な声は、さっきまでの部屋の空気を入れ替える力があった。
顔色が悪い栢木を覗きこんで確認するやいなや、トレイを机の上に乗せて鼻歌を歌いながら何やら準備を始めた。
「やっぱり?」
ミライの言葉の意味が分からずに栢木は自然と疑問符が口に出す。
「うん。今朝ね、北都様に言われたのよー。栢木の体調が悪そうだから看といてくれみたいな事をさ。」
何てことない話だと、気持ちの距離を縮めるミライの話し方が心地よい。
ミライは振り返り栢木の額に手を当て納得の声を漏らした。
「うん。熱はないね、じゃあ疲れかな?」
少し安心したように笑い、少し乱れた栢木の前髪を直してあげると体を起こす。
「ミライ、本当に北都様がそう仰ったの?」
ミライの言葉が信じられないマリーは彼女の腕に触れ、動きを止めてまで確認した。
マリーの態度に共感するようにミライは笑顔で頷く。