カラフル・スパイス
第一章

ファースト・コンタクト

明るい日差しのお昼時。


昼ご飯を食べようと授業中とは違うゆるんだ空気のなかで、体育館裏だけはやっぱり薄暗い。




なにかありそう。




そんな予感さえするのはいつものことなのに。なのに。



「う゛ぃ…!?」



フルボッコって、こういうことを言うんじゃないだろうか。


木にもたれかかってるのは、うちの生徒だ。制服着てるし。


でも顔が赤黒く腫れあがって、服は布が擦り切れてる上、泥やらほこりやら黒ずんでる(たぶん血だろう)やらでもうめちゃくちゃだ。




桜庭アオイ、生まれて初めてこんな状態の人を見ましたよ…。




驚きやら物珍しさやらで混乱した頭がパンク寸前。


でもついてないのだけはわかってる。


あたしは、ただはやくユナと一緒にお昼ご飯が食べたくて、近道だから体育館裏を通ろうとしただけなのに!!!
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