[完]愛を君と


蒼生と付き合った日から数日



私は今、一人で病院へ来ていた。



「おはよう、先生、弥南海さん」



「おはよう美愛ちゃん」



そう、今日はタクシーを呼んだんだ。


何故かって?



それは……







「じゃあ、そうだね、……今日は蒼生も一緒か?それとも奏空くん?」




「……いや、一人で来ました。」




「…そっか、わかった。」



どんな話をするのか、わかってる。



「…じゃあ、多分美愛ちゃんはどんな話をされるか分かって来てるよね?」



こくんと頷く



「やっぱりそうだよね。…単刀直入に言うと、美愛ちゃんの脚は完治しない。昔の事故後、分かっていたことだ」



「はい。」



「それで、…そろそろ自宅生活が難しくなってきてると思うんだ。身体的に。」



そう、1人だからとかじゃなくて脚が痛んで夜も眠れない日が続いて


段々足の神経もおかしくなってきてるなと思ってた。


どんなに叩いても感じない痛み。


傷は痛むのに、それ以外は感じない。


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