[完]愛を君と


入学式が終わって教室まで戻る時



「美愛ちゃんって呼んでもいい?」


「あ、うん!どうぞどうぞー!あ、私鈴音ちゃんって呼んでいい?」


「鈴音でいいよ?あたし、ちゃんって感じじゃないし」


確かに、とちょっと思った。ちゃんってより、さんって感じ?うん。



「美愛」


「んぁ!蒼生!同じクラスならそう言ってよ!……あ!」


話しちゃった!と思った時には、時すでに遅し。


目の前ではニヤニヤ笑ってる。


「あれー?さっきもう話さないーなんて言ってたのに」


「蒼生のアホバカマヌケ!」


「それは美愛でしょ?」



二人でやりとらりしてたら、隣から


「美愛ちゃん、誰?」


鈴音が蒼生を見て尋ねてきた。


そっか、そうだよね。


「コレは椎名蒼生!幼なじみ……でも無いけど、そんな感じ?うん、そう!」



「どうも、えっと、確か遠坂鈴音ちゃん?」



「え、あ、はい!遠坂鈴音と申します。よろしくお願いします」


二人のやり取りを見ててふと思った……


「蒼生、鈴音のこと知ってるの?」


「だって、同じクラスなら知ってるでしょ。覚えてないのはカクンカクンしてた美愛くらいかな?」

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