[完]愛を君と
「ほら!そこで百面相してないで、行くよ!」
「はぁーい……」
しょうがなく蒼生の後ろをついていく。
…
「……ぶふっ……!いったーい……ちょっとあお…ん゛む゛〜!」
「黙って。」
突然止まるから何かと思って、声をあげようとしたら蒼生の手で私の口が塞がれた。
蒼生が何かを軽蔑するような目で見るその先には……
……奏空…
どうやら私たちには気づいてなかったらしく、そのまま視界から消えていった。
「ぷはっ!蒼生!もう、何よ」
ようやく話してもらえた私はもう1度蒼生を見る
「や、わるい。何でもないよ」
さっきの表情とはまるで別人のように、私に微笑む
……そう、この時の私には、蒼生の表情の意味が分からなかった。