[完]愛を君と

「先生、弥南海さん。覚えてますか？」



「何をですか？」



「私が運ばれた時のこと」



「「あぁ(えぇ)、もちろん」」



懐かしいな……



「あの時奏空が叫んでたことは？」


「何でだろうね、美愛ちゃんと奏空くんのあの日の事は、鮮明に覚えてるんだよ」


「そっか……私、奏空が私を一人にしないって言ってくれてすごく嬉しかった……」


「奏空は、私がいなくても大丈夫かな……？」



「バカ言わない。奏空くんは美愛ちゃんが居てこその奏空くんじゃないかな？美愛ちゃん、諦めたら終わりだよ？」





知ってた



私は……いつか奏空を一人にしてしまうことも



「諦めたら終わり……お母さんたちは考える余地もなかった。小桃音(ｺﾄﾈ)は、最期まで諦めなかったのかな…」


｢小桃音ちゃんも、小さい身体で頑張ってた。必死に、美愛ちゃんを一人にしないようにって頑張ってた。」



「そっか……」