[完]愛を君と
奏空side
まじ体に悪い。
そう、朝から俺の上に飛び込んで起こしてくんのは幼なじみのコイツ。田浦美愛。
やめろって言ってんのに、やめない。
苦しいし、何よりやめろって言う一番の理由は、目を開けた時に目の前でニコニコ笑ってる美愛。
いい加減理性を保てる自信が無くなってきた。
勿論、誰にでもそうなる訳じゃない。全部は美愛だから。
無駄にテンションたけえし、怒ったかと思ったら謝るし、しかも謝る時のしゅんってした感じが、そりゃもう可愛い!……っおっと。
「おい、よけろ。じゃないと今すぐ脱ぐぞー…いーち、に…」
そう言ったら秒で赤面してビンタ!
そして、そのまま部屋からダッシュで逃げた
ビンタはねぇよなぁーって思いながら、着替えて下に行くと俺の母さんと話す美愛がいた。
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美愛には、母親も父親もいない。
アイツが5歳の時、天国に去った。
3人で…いや、正確には4人、両親と美愛と、当時2歳の妹。でばあちゃん家に行こうとした時、対向車線から飲酒運転のトラックが突っ込んできた。
美愛は意識不明の重体。
妹は意識不明、心肺停止の重体。
両親は即死。