イジワル上司に甘く捕獲されました
「今日はもう済ませたよ、ちなみにお風呂も」

私の言い方を真似る真央。

しっかり者の真央は札幌の大学に進学することを選んだ。

両親も私も真央の選択には驚いた。

理由を聞くと。

家族旅行で何度か訪れた北海道が大好きで、暮らしてみたいと思ったから、だそうで。

雪国の生活は厳しいのではないか、実家から通える大学に進学したほうが楽ではないかと色々な説得を試みてみたけれど、真央の決意は揺るがなくて。

若いうちに色々な経験をすることは大事ってパパもいつも言ってるじゃない、と両親は押し切られ。

結局。

札幌で独り暮らしをしている、母の妹の佐知子叔母さんの近くに住むか同居するという条件付きで許された。

はれて、札幌の大学に進学し、無事に卒業した真央。

卒業後は実家に戻るのだろうと皆が信じていたのだけれど。

札幌を益々大好きになった真央はちゃっかり札幌で就職先を見つけてきた。

在学中に大好きな札幌出身の彼氏を見つけたことも影響したのだろうけれど。

以来、時折、数日帰省するか、私が会いに行くかで実家には殆ど帰ってこないのだ。

二人姉妹の私としては寂しくもあるけれど、我が妹ながらしっかりしているなあと尊敬することも多く。

逆に真央は。

美羽ちゃんは幾つになっても少女みたいな考え方なんだから、と小言をよく言う。

私にとってはとても頼りになる可愛い妹なのだ。

< 10 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop