イジワル上司に甘く捕獲されました
瀬尾さんが抱きしめてくれた感触や香りを思い出して。
一人、顔を赤らめている私。
泊まっていきたい気持ちはあったけれど。
気持ちを伝えたその日にいきなりお泊まりだなんて。
……きっと私の心臓がもたないから。
一人になって、これが夢ではないと実感したかったから。
帰宅して、何処か夢心地な感じでお風呂に入ってベッドに入ったのだけど。
何だかドキドキしてしまって目が冴えて、全く眠たくならずにベッドでごろごろしてしまっていた。
昨日のことを思い出していたら、スマートフォンが鳴っていることに気付いて。
反射的に時計を見てスマートフォンに手を伸ばすと。
瀬尾さんからの着信だった。
「おはよう、美羽。
よく眠れた?」
「お、おはようございます……」
「美羽、昨日から思ってたんだけど……何で敬語?」
「な、何でって、わ、私は部下で……」
電話の向こうで激しく不機嫌そうな声が聞こえた。
「それは昨日まで。
今は俺の彼女」
その言葉にまた心拍数があがる。
「敬語はなし、わかった?
あと、瀬尾さんもダメ。
俺は美羽って呼んでるんだから、美羽も俺を名前で呼ぶこと」
「そ、そんな、いきなりっ……」
「いきなりでも何でも、もう決めたから。
一緒に通勤したいところだけど、俺、今朝会議だから、先に行くよ。
美羽も用意して、支店で会おうな」
強引だけど声音はひどく優しく。
瀬尾さんはそれだけを言って電話を切った。
私はスマートフォンを握りしめて。
これから心臓がもつか心配しながら、真っ赤な顔のまま洗面所に向かった。
一人、顔を赤らめている私。
泊まっていきたい気持ちはあったけれど。
気持ちを伝えたその日にいきなりお泊まりだなんて。
……きっと私の心臓がもたないから。
一人になって、これが夢ではないと実感したかったから。
帰宅して、何処か夢心地な感じでお風呂に入ってベッドに入ったのだけど。
何だかドキドキしてしまって目が冴えて、全く眠たくならずにベッドでごろごろしてしまっていた。
昨日のことを思い出していたら、スマートフォンが鳴っていることに気付いて。
反射的に時計を見てスマートフォンに手を伸ばすと。
瀬尾さんからの着信だった。
「おはよう、美羽。
よく眠れた?」
「お、おはようございます……」
「美羽、昨日から思ってたんだけど……何で敬語?」
「な、何でって、わ、私は部下で……」
電話の向こうで激しく不機嫌そうな声が聞こえた。
「それは昨日まで。
今は俺の彼女」
その言葉にまた心拍数があがる。
「敬語はなし、わかった?
あと、瀬尾さんもダメ。
俺は美羽って呼んでるんだから、美羽も俺を名前で呼ぶこと」
「そ、そんな、いきなりっ……」
「いきなりでも何でも、もう決めたから。
一緒に通勤したいところだけど、俺、今朝会議だから、先に行くよ。
美羽も用意して、支店で会おうな」
強引だけど声音はひどく優しく。
瀬尾さんはそれだけを言って電話を切った。
私はスマートフォンを握りしめて。
これから心臓がもつか心配しながら、真っ赤な顔のまま洗面所に向かった。