イジワル上司に甘く捕獲されました
「……美羽。
転勤はこの会社に勤めている以上、仕方ないって俺は思っている。
俺だけじゃなくて、全社員が同じだからさ。
だけど、最悪な形ではなくて、できるだけ自分達にとってプラスな方向で異動する方法はある筈なんだ。
……俺だけでは無理でも皆川さんや尚樹が力を貸してくれるから。
だから……美羽は不安に思わないで、俺を信じて。
たとえ、離れ離れになっても俺達は変わらない。
……俺は美羽を手離す気はないよ。
これから先もずっと、一緒に歩いていきたい人は美羽だけなんだ」
泣き出してしまった私の瞳を見つめながら彼は言う。
その温かい言葉にますます涙が止まらなくて。
私は目の前にいる潤さんの存在を確かめるように彼の服を強く掴んで。
まるで小さな子をあやすように潤さんは私を胸にギュッと抱きしめた。
「大丈夫、大丈夫だよ。
……来月になったら、異動してくる人がいる。
その人が今後、俺の後任として数年は札幌支店にいてくれる人になる。
まだ本決まりではないし、そういう話が出ているって段階だから他言はできないけれど……」
「今すぐ……いなくなったり、しない?」
小さな声で話す私に。
「しないよ、当たり前。
美羽に黙って何処かに行ったりしないよ」
フッと顔を緩めて潤さんが私の髪を撫でる。
「暗い話をしてごめん。
不安にさせたかったわけじゃないんだ。
ただ、何があっても俺は美羽を離さないし、不測の事態が起きても俺を信じて傍にいてほしいって言いたかっただけなんだ。
……付き合ってまだ日は浅いけど……俺にはもう美羽のいない生活は考えられないから」
その言葉に。
胸がキュウッと締め付けられて温かい涙が溢れる。
きちんと話したいのに。
ありがとうって。
私もあなたがいない毎日は考えられないんだよって伝えたいのに。
涙で声が詰まって。
うまく話せなかった。
転勤はこの会社に勤めている以上、仕方ないって俺は思っている。
俺だけじゃなくて、全社員が同じだからさ。
だけど、最悪な形ではなくて、できるだけ自分達にとってプラスな方向で異動する方法はある筈なんだ。
……俺だけでは無理でも皆川さんや尚樹が力を貸してくれるから。
だから……美羽は不安に思わないで、俺を信じて。
たとえ、離れ離れになっても俺達は変わらない。
……俺は美羽を手離す気はないよ。
これから先もずっと、一緒に歩いていきたい人は美羽だけなんだ」
泣き出してしまった私の瞳を見つめながら彼は言う。
その温かい言葉にますます涙が止まらなくて。
私は目の前にいる潤さんの存在を確かめるように彼の服を強く掴んで。
まるで小さな子をあやすように潤さんは私を胸にギュッと抱きしめた。
「大丈夫、大丈夫だよ。
……来月になったら、異動してくる人がいる。
その人が今後、俺の後任として数年は札幌支店にいてくれる人になる。
まだ本決まりではないし、そういう話が出ているって段階だから他言はできないけれど……」
「今すぐ……いなくなったり、しない?」
小さな声で話す私に。
「しないよ、当たり前。
美羽に黙って何処かに行ったりしないよ」
フッと顔を緩めて潤さんが私の髪を撫でる。
「暗い話をしてごめん。
不安にさせたかったわけじゃないんだ。
ただ、何があっても俺は美羽を離さないし、不測の事態が起きても俺を信じて傍にいてほしいって言いたかっただけなんだ。
……付き合ってまだ日は浅いけど……俺にはもう美羽のいない生活は考えられないから」
その言葉に。
胸がキュウッと締め付けられて温かい涙が溢れる。
きちんと話したいのに。
ありがとうって。
私もあなたがいない毎日は考えられないんだよって伝えたいのに。
涙で声が詰まって。
うまく話せなかった。