イジワル上司に甘く捕獲されました
私と藤井さんが桔梗さんの指示に従って作業を始めて二時間程経った頃。
バタバタと潤さんと峰岸さんが店内に戻ってきた。
「……予想はしていたけれど酷いな」
桔梗さんと同じような感想を述べる潤さん。
「こんなの……無理よ!
これだけの量を明日中には投函しなきゃいけないなんてっ。
通常業務だってあるのにっ、どうして手違いなんてっ。
発送依頼は誰がしたのっ?
橘さんっ、あなた、高井さんに電話できちんと聞かなかったのっ?
どうして断らないのっ?」
「えっ……」
思わず口ごもる私に、潤さんが口を挟んだ。
「やめろ、峰岸。
橘のせいじゃない。
橘はいきなり高井さんに言われただけだ。
……今はそんなことよりこの案内状を期限までに発送することの方が優先だ」
「……わかったわ」
峰岸さんは疲れた表情で潤さんと一緒に皆川さんのデスクに報告に向かう。
藤井さんが不機嫌そうに呟く。
「何なの、あれ?
橘さんは何も悪くないのに」
「……藤井、声でかいから。
でも、本当に美羽ちゃんは何も悪くないから峰岸が言ったことを気にする必要ないから。
峰岸にとったら大きなプロジェクトだし、アイツはアイツで多分プレッシャーなんだよ。
仕事に関しては誠実なヤツだからさ」
優しく桔梗さんは私に言う。
私はコクン、と小さく頷いた。
結局、皆川さんも支店長に報告をして。
今回はどうしようもないので支店全体で発送をするということになった。
とはいっても渉外係、窓口係といった、営業時間中には動けない人もいる。
なので今から明日中は急ぎの案件がない人がヘルプに入るということで、札幌支店全員で取り組むことになった。
バタバタと潤さんと峰岸さんが店内に戻ってきた。
「……予想はしていたけれど酷いな」
桔梗さんと同じような感想を述べる潤さん。
「こんなの……無理よ!
これだけの量を明日中には投函しなきゃいけないなんてっ。
通常業務だってあるのにっ、どうして手違いなんてっ。
発送依頼は誰がしたのっ?
橘さんっ、あなた、高井さんに電話できちんと聞かなかったのっ?
どうして断らないのっ?」
「えっ……」
思わず口ごもる私に、潤さんが口を挟んだ。
「やめろ、峰岸。
橘のせいじゃない。
橘はいきなり高井さんに言われただけだ。
……今はそんなことよりこの案内状を期限までに発送することの方が優先だ」
「……わかったわ」
峰岸さんは疲れた表情で潤さんと一緒に皆川さんのデスクに報告に向かう。
藤井さんが不機嫌そうに呟く。
「何なの、あれ?
橘さんは何も悪くないのに」
「……藤井、声でかいから。
でも、本当に美羽ちゃんは何も悪くないから峰岸が言ったことを気にする必要ないから。
峰岸にとったら大きなプロジェクトだし、アイツはアイツで多分プレッシャーなんだよ。
仕事に関しては誠実なヤツだからさ」
優しく桔梗さんは私に言う。
私はコクン、と小さく頷いた。
結局、皆川さんも支店長に報告をして。
今回はどうしようもないので支店全体で発送をするということになった。
とはいっても渉外係、窓口係といった、営業時間中には動けない人もいる。
なので今から明日中は急ぎの案件がない人がヘルプに入るということで、札幌支店全員で取り組むことになった。