イジワル上司に甘く捕獲されました
手の平におさまる小さな四角い箱と潤さんを交互に見つめる。
「……ありがとう……私、すっかり忘れていた……」
「だろうと思った。
美羽、何も言ってこないし、聞いてこないし」
……ホワイトデーにあんまり色々聞いたり、言ったりしたらお返しの催促だと思われるんじゃ……と私が呟くと。
人それぞれでしょ、とシレッと返してくる潤さん。
……考えてくれていたんだ。
こんなに多忙な毎日の中で。
私のことを想ってくれていたんだ。
そのことが何よりも嬉しくて胸が熱くなる。
泣き笑いみたいな表情で御礼を言って。
「……開けていい?」
尋ねると私を抱きしめたまま頷く潤さん。
結ばれているゴールドのリボンをほどいて、収まっているケースを開けると。
華奢な細いチェーンに可愛らしいお花のモチーフが幾つかあるブレスレットが入っていて。
「……これ……!」
思わず顔をあげると。
「……気に入った?」
瞳に私の姿を映して優しく微笑む潤さん。
私は嬉しくて胸がいっぱいになって、やっぱり泣いてしまう。
まだ着けてもいないのに、と苦笑しながら潤さんが私の右手首を取って着けてくれた。
「……美羽、クリスマスに贈った指輪はいつも仕事中、ネックレスに通してくれているだろ?
仕事中もきちんとできるものを改めて贈りたかったんだ。
込めている願いはクリスマスの指輪と同じだけど」
私の左手の薬指を持ち上げて、優しく唇をあてて私を見つめる潤さん。
その瞳は熱が籠っていて燻っている。
「俺の美羽だから。
俺だけの美羽だから。
独占したいし、さ」
頬にキスをされて、耳元で囁かれると、もうどうしていいかわからなくなる。
「……っ……ありがとう……」
身体の芯にまで響きそうな潤さんの甘い声にクラクラしながら御礼を言う。
「……どういたしまして、気に入った?」
甘い声、周囲に漂う甘い雰囲気の中で聞かれて私は頷くしかできない。
どうしてこの人はこんなに私を喜ばせて胸をいっぱいにすることが上手なんだろう?
私はこれから先、彼にはかなわない気がする。
本当にさっきのさっきまで悲壮な想いをしていたとは思えないくらいに。
「……ありがとう……私、すっかり忘れていた……」
「だろうと思った。
美羽、何も言ってこないし、聞いてこないし」
……ホワイトデーにあんまり色々聞いたり、言ったりしたらお返しの催促だと思われるんじゃ……と私が呟くと。
人それぞれでしょ、とシレッと返してくる潤さん。
……考えてくれていたんだ。
こんなに多忙な毎日の中で。
私のことを想ってくれていたんだ。
そのことが何よりも嬉しくて胸が熱くなる。
泣き笑いみたいな表情で御礼を言って。
「……開けていい?」
尋ねると私を抱きしめたまま頷く潤さん。
結ばれているゴールドのリボンをほどいて、収まっているケースを開けると。
華奢な細いチェーンに可愛らしいお花のモチーフが幾つかあるブレスレットが入っていて。
「……これ……!」
思わず顔をあげると。
「……気に入った?」
瞳に私の姿を映して優しく微笑む潤さん。
私は嬉しくて胸がいっぱいになって、やっぱり泣いてしまう。
まだ着けてもいないのに、と苦笑しながら潤さんが私の右手首を取って着けてくれた。
「……美羽、クリスマスに贈った指輪はいつも仕事中、ネックレスに通してくれているだろ?
仕事中もきちんとできるものを改めて贈りたかったんだ。
込めている願いはクリスマスの指輪と同じだけど」
私の左手の薬指を持ち上げて、優しく唇をあてて私を見つめる潤さん。
その瞳は熱が籠っていて燻っている。
「俺の美羽だから。
俺だけの美羽だから。
独占したいし、さ」
頬にキスをされて、耳元で囁かれると、もうどうしていいかわからなくなる。
「……っ……ありがとう……」
身体の芯にまで響きそうな潤さんの甘い声にクラクラしながら御礼を言う。
「……どういたしまして、気に入った?」
甘い声、周囲に漂う甘い雰囲気の中で聞かれて私は頷くしかできない。
どうしてこの人はこんなに私を喜ばせて胸をいっぱいにすることが上手なんだろう?
私はこれから先、彼にはかなわない気がする。
本当にさっきのさっきまで悲壮な想いをしていたとは思えないくらいに。