イジワル上司に甘く捕獲されました
とりあえず中身が入っていない段ボールを全て潰して、運び終えて。
満足な気持ちで一階でエレベーターを待っていたら、背後から人の気配がしたので何気なく振り返ると。
……この数時間で私の評価が、全く顔を会わせたくない人に変わった彼が立っていた。
買い物帰りなのかスーパーの袋を提げて。
美形は何を持っていてもかっこいいよね……。
目が合ってしまった以上、無視も失礼かもしれないと、建前上の会釈をして正面に向き直る。
「なあ……」
背後から低い声が聞こえてきた。
まさか、私に話しかけてないよね、電話しているのかもしれないと無視をしていると。
「アンタだよ、俺の前に立っているアンタ」
若干、面倒臭そうに再度話しかけられて。
「わ、私ですか?」
嫌だなと思う気持ちを心の中に隠しつつ、振り向くと。
「アンタ、段ボールどうしたわけ?」
いきなり尋ねられた。
「え?
段ボールですか?
私、引っ越ししてきたので……」
「違う、そんなことはわかってる。
俺が聞いているのは何処に置いたのか、処分したのかってこと」
冷静に教え子を諭すようにゆっくり言われた。
「そ、そこの所定の置場所に出しましたけど……」
じっと私を見つめる眼力に圧倒されつつ、置場所を指差す私に。
いきなり極上の笑顔を彼は私に向けてきて。
極上の美形男性の笑顔を初めて至近距離で見た私は不覚にもドキドキして。
つられてニッコリしてしまっていたら。
「……段ボールの回収日は毎月十日、二十日、三十日って決まっているから。
回収日の前日に出す決まりだ。
ちなみに今日は一日。
残念だけど部屋まで持帰りだな」
ニヤっと口角をあげて言う彼に。
私の顔がひきつる。
満足な気持ちで一階でエレベーターを待っていたら、背後から人の気配がしたので何気なく振り返ると。
……この数時間で私の評価が、全く顔を会わせたくない人に変わった彼が立っていた。
買い物帰りなのかスーパーの袋を提げて。
美形は何を持っていてもかっこいいよね……。
目が合ってしまった以上、無視も失礼かもしれないと、建前上の会釈をして正面に向き直る。
「なあ……」
背後から低い声が聞こえてきた。
まさか、私に話しかけてないよね、電話しているのかもしれないと無視をしていると。
「アンタだよ、俺の前に立っているアンタ」
若干、面倒臭そうに再度話しかけられて。
「わ、私ですか?」
嫌だなと思う気持ちを心の中に隠しつつ、振り向くと。
「アンタ、段ボールどうしたわけ?」
いきなり尋ねられた。
「え?
段ボールですか?
私、引っ越ししてきたので……」
「違う、そんなことはわかってる。
俺が聞いているのは何処に置いたのか、処分したのかってこと」
冷静に教え子を諭すようにゆっくり言われた。
「そ、そこの所定の置場所に出しましたけど……」
じっと私を見つめる眼力に圧倒されつつ、置場所を指差す私に。
いきなり極上の笑顔を彼は私に向けてきて。
極上の美形男性の笑顔を初めて至近距離で見た私は不覚にもドキドキして。
つられてニッコリしてしまっていたら。
「……段ボールの回収日は毎月十日、二十日、三十日って決まっているから。
回収日の前日に出す決まりだ。
ちなみに今日は一日。
残念だけど部屋まで持帰りだな」
ニヤっと口角をあげて言う彼に。
私の顔がひきつる。