イジワル上司に甘く捕獲されました
「エエッッ‼
ウソッ」
叫ぶ私に。
「残念でした」
クッとさっきとは違う笑顔を浮かべながら彼はさっさと到着したエレベーターに乗り込んで行った。
「……何なの!
さっき分かっていたなら教えてくれたらいいじゃない‼
最っ低‼」
今日一日の彼の態度を思い出して、さらに腹がたってきた私は目一杯悪態をつく。
真央のメモ、もう少しきちんと読めば良かった……きっと書いてあったんだろう。
「……回収しなきゃ……」
フラフラと段ボールを置いた場所に戻る。
結構な量があり、どっと疲れが襲う。
「時間、無駄にしちゃったなあ……仕方ないけど……」
小さく呟いて。
段ボールの山に手をかけようとした時。
何だか覚えのある香りと共に、上から長い指が段ボールを掴んだ。
えっ、と思って振り向くと。
さっき帰宅した筈の失礼美形の彼がいて。
「……運んでやるよ」
ぶっきらぼうに段ボールを大量に抱えて言った。
突然の思いもしなかった出来事に、まばたきを繰り返す私に。
「アンタはそっちの束、持って」
テキパキと指示を下す。
「あ、ハイ……。
あの……ありがとうゴザイマス……」
段ボールの束を抱えて前を歩く彼の背中に言うと。
「……別に」
と、無愛想な返事が返ってきて。
耳が赤く染まっていることに気付いたけれど、そこは黙っておいた。
ウソッ」
叫ぶ私に。
「残念でした」
クッとさっきとは違う笑顔を浮かべながら彼はさっさと到着したエレベーターに乗り込んで行った。
「……何なの!
さっき分かっていたなら教えてくれたらいいじゃない‼
最っ低‼」
今日一日の彼の態度を思い出して、さらに腹がたってきた私は目一杯悪態をつく。
真央のメモ、もう少しきちんと読めば良かった……きっと書いてあったんだろう。
「……回収しなきゃ……」
フラフラと段ボールを置いた場所に戻る。
結構な量があり、どっと疲れが襲う。
「時間、無駄にしちゃったなあ……仕方ないけど……」
小さく呟いて。
段ボールの山に手をかけようとした時。
何だか覚えのある香りと共に、上から長い指が段ボールを掴んだ。
えっ、と思って振り向くと。
さっき帰宅した筈の失礼美形の彼がいて。
「……運んでやるよ」
ぶっきらぼうに段ボールを大量に抱えて言った。
突然の思いもしなかった出来事に、まばたきを繰り返す私に。
「アンタはそっちの束、持って」
テキパキと指示を下す。
「あ、ハイ……。
あの……ありがとうゴザイマス……」
段ボールの束を抱えて前を歩く彼の背中に言うと。
「……別に」
と、無愛想な返事が返ってきて。
耳が赤く染まっていることに気付いたけれど、そこは黙っておいた。