イジワル上司に甘く捕獲されました
「藤井が後輩泣かしてやがる~」
突然飛び込んできた、からかうような声。
その声に向かって、藤井さんがキッと顔をあげる。
「泣かせてないですよっ。
もう、失礼なことを言わないでください、桔梗さんっ」
「コワッ、藤井。
あぁ、君が橘さん?
今日から着任の?」
藤井さんにヒラヒラと手を振って。
桔梗さん、と呼ばれたその人は私をジッと見つめてきた。
切れ長の凛々しい二重の瞳に形の良い鼻。
無造作に両脇に流した少し長めの髪。
高い身長に濃紺の細身のスーツをさらりと着こなしている。
……いわゆるとてもカッコイイ男性だ。
私の脳裏にふと七階の美形男性の顔が浮かぶ。
彼はどちらかというと綺麗すぎ、完璧すぎて、声をかけにくい美形という感じだけど、桔梗さんは美形は美形だけど少し可愛さのある話しかけやすい雰囲気を纏っている。
勝手に私が分析することは失礼だけど……。
「もう、可愛い女の子がいたら絶対見逃さないですね。
本当に流石ですよ、その女子センサー。
そう、今日から着任の橘美羽さんです。
橘さん、このすごく軽そうな人は桔梗尚樹さん、私の直属の上司」
横目で軽く桔梗さんを睨みながら、藤井さんが紹介をしてくれた。
「……た、橘です。
よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げる私。
「小さいねぇ、可愛いね」
にこっと極上の笑みを浮かべる桔梗さん。
それから藤井さんに真面目な表情で向き直る。
「藤井、十二時半から来客予定じゃなかったか?
準備は?
預金係が口座開設の用紙を取りに来ていないって言ってたぞ」
「あっ、そうでした!
スミマセン、今から行ってきますっ
橘さん、本当にごめんね。
明日は一緒にお昼ご飯食べようね!」
バタバタと藤井さんは私と桔梗さんの間をすり抜けて走っていった。
突然飛び込んできた、からかうような声。
その声に向かって、藤井さんがキッと顔をあげる。
「泣かせてないですよっ。
もう、失礼なことを言わないでください、桔梗さんっ」
「コワッ、藤井。
あぁ、君が橘さん?
今日から着任の?」
藤井さんにヒラヒラと手を振って。
桔梗さん、と呼ばれたその人は私をジッと見つめてきた。
切れ長の凛々しい二重の瞳に形の良い鼻。
無造作に両脇に流した少し長めの髪。
高い身長に濃紺の細身のスーツをさらりと着こなしている。
……いわゆるとてもカッコイイ男性だ。
私の脳裏にふと七階の美形男性の顔が浮かぶ。
彼はどちらかというと綺麗すぎ、完璧すぎて、声をかけにくい美形という感じだけど、桔梗さんは美形は美形だけど少し可愛さのある話しかけやすい雰囲気を纏っている。
勝手に私が分析することは失礼だけど……。
「もう、可愛い女の子がいたら絶対見逃さないですね。
本当に流石ですよ、その女子センサー。
そう、今日から着任の橘美羽さんです。
橘さん、このすごく軽そうな人は桔梗尚樹さん、私の直属の上司」
横目で軽く桔梗さんを睨みながら、藤井さんが紹介をしてくれた。
「……た、橘です。
よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げる私。
「小さいねぇ、可愛いね」
にこっと極上の笑みを浮かべる桔梗さん。
それから藤井さんに真面目な表情で向き直る。
「藤井、十二時半から来客予定じゃなかったか?
準備は?
預金係が口座開設の用紙を取りに来ていないって言ってたぞ」
「あっ、そうでした!
スミマセン、今から行ってきますっ
橘さん、本当にごめんね。
明日は一緒にお昼ご飯食べようね!」
バタバタと藤井さんは私と桔梗さんの間をすり抜けて走っていった。