イジワル上司に甘く捕獲されました
食堂は事前に藤井さんが場所を教えてくれていたので、迷わずに辿り着いた。
十二時を過ぎた食堂は混雑していた。
ビルのワンフロアが食堂になっていて随分な広さがある。
八階という高さのせいか、陽射しが差し込んで、明るい雰囲気だ。
小鉢や麺類、日替り定食等、自分で選択するセルフスタイルだった。
まだ初日の緊張がしっかり解けていなかったので、あまり食欲はなかったけれど。
何か食べないと、と思いトレーを片手にメニューを見上げる。
とりあえず胃にやさしそうなうどんを選択して。
出来上がったうどんをトレーにのせて、空いている席に座った。
その時。
「聞いて!
私、さっき瀬尾さんとエレベーター、一緒だったの!」
「えっ、本当?
羨ましい~私も一本ずらせば良かった!」
通路を挟んで隣のテーブルで食事をしている二人組の女性が話している声が聞こえてきた。
「食堂に来てるの?」
金髪に近い髪をした女性が周りをキョロキョロ見回しながら尋ねる。
「どうなんだろ、何か外出先から戻ってきたって感じだったよ?」
もう一人の派手なネイルを施した女性が答える。
「本当に目の保養だよねぇ。
うちの店にもあんな人がいてくれたらいいのに!
あんな先輩や上司がいたら、もうそれだけでやる気になるよね、仕事」
「わかる、それ。
でも瀬尾さん、厳しいらしいよ~」
相槌をうちながら返答する金髪女性にもう一人の女性が笑って。
それからほどなくして、二人は席を立った。
十二時を過ぎた食堂は混雑していた。
ビルのワンフロアが食堂になっていて随分な広さがある。
八階という高さのせいか、陽射しが差し込んで、明るい雰囲気だ。
小鉢や麺類、日替り定食等、自分で選択するセルフスタイルだった。
まだ初日の緊張がしっかり解けていなかったので、あまり食欲はなかったけれど。
何か食べないと、と思いトレーを片手にメニューを見上げる。
とりあえず胃にやさしそうなうどんを選択して。
出来上がったうどんをトレーにのせて、空いている席に座った。
その時。
「聞いて!
私、さっき瀬尾さんとエレベーター、一緒だったの!」
「えっ、本当?
羨ましい~私も一本ずらせば良かった!」
通路を挟んで隣のテーブルで食事をしている二人組の女性が話している声が聞こえてきた。
「食堂に来てるの?」
金髪に近い髪をした女性が周りをキョロキョロ見回しながら尋ねる。
「どうなんだろ、何か外出先から戻ってきたって感じだったよ?」
もう一人の派手なネイルを施した女性が答える。
「本当に目の保養だよねぇ。
うちの店にもあんな人がいてくれたらいいのに!
あんな先輩や上司がいたら、もうそれだけでやる気になるよね、仕事」
「わかる、それ。
でも瀬尾さん、厳しいらしいよ~」
相槌をうちながら返答する金髪女性にもう一人の女性が笑って。
それからほどなくして、二人は席を立った。