イジワル上司に甘く捕獲されました
コンコン。
遠慮がちに第二応接室の扉をノックする。
「どうぞ」
聞こえてきたのは低い、聞き覚えのある声。
瀬尾さんって声が低い女性なのかな……と思いつつ、目線を下にしながらドアを開ける。
目の前には少しオシャレな応接セット。
そこに座っている人が一人。
「失礼します。
本日着任いたしました、橘美羽です。
よろしくお願いします」
頭を下げると。
「……知ってる」
と一言。
怪訝に思って顔を上げると。
「……!」
そこには。
……七階の美形男性がいた。
「初めまして、橘さん。
瀬尾です」
ニッコリとキラキラな笑顔を見せてくれたその人は間違いなく。
同じマンションの住人だった。
「な、な、何でっ!」
思わず指を差して、叫ぶ私に。
「業務中。
しかも俺はアンタの上司だけど?」
ソファに座ったまま無愛想に返される。
「す、すみません……」
あまりの動揺に一気に心拍数があがる。
絶対に今、私は間抜けな顔をしていた筈。
……この人が瀬尾さん?
私の上司?
あり得ない、あり得ない、絶対……!
「……アンタ今、あり得ないって思っただろ」
綺麗な二重の目を細めて腕組みしながら、私を見上げる瀬尾さん。
「……いえ……」
焦りながら返事をする私。
支店内は快適な空調の筈なのに、私の背中や脇をツーッと一筋の汗が流れる。
「とりあえず座れば?」
促されて、小さな声で失礼します、と言って向かいの席に腰を下ろす。
遠慮がちに第二応接室の扉をノックする。
「どうぞ」
聞こえてきたのは低い、聞き覚えのある声。
瀬尾さんって声が低い女性なのかな……と思いつつ、目線を下にしながらドアを開ける。
目の前には少しオシャレな応接セット。
そこに座っている人が一人。
「失礼します。
本日着任いたしました、橘美羽です。
よろしくお願いします」
頭を下げると。
「……知ってる」
と一言。
怪訝に思って顔を上げると。
「……!」
そこには。
……七階の美形男性がいた。
「初めまして、橘さん。
瀬尾です」
ニッコリとキラキラな笑顔を見せてくれたその人は間違いなく。
同じマンションの住人だった。
「な、な、何でっ!」
思わず指を差して、叫ぶ私に。
「業務中。
しかも俺はアンタの上司だけど?」
ソファに座ったまま無愛想に返される。
「す、すみません……」
あまりの動揺に一気に心拍数があがる。
絶対に今、私は間抜けな顔をしていた筈。
……この人が瀬尾さん?
私の上司?
あり得ない、あり得ない、絶対……!
「……アンタ今、あり得ないって思っただろ」
綺麗な二重の目を細めて腕組みしながら、私を見上げる瀬尾さん。
「……いえ……」
焦りながら返事をする私。
支店内は快適な空調の筈なのに、私の背中や脇をツーッと一筋の汗が流れる。
「とりあえず座れば?」
促されて、小さな声で失礼します、と言って向かいの席に腰を下ろす。