イジワル上司に甘く捕獲されました
惹かれる人
「おはよう、橘さん、月曜日は大丈夫だった?」

休み明けの水曜日。

出社した私に、心配そうに藤井さんが声をかけてくれた。

「あっ、藤井さん、おはようございますっ。
だ、大丈夫です……本当に月曜日は折角歓迎会をしてくださったのに、酔っぱらってしまって……すみませんでした」

私は慌てて頭を下げて謝罪する。

藤井さんは笑って、

「嫌だ、そんなの気にしないで。
……桔梗さんも酔いつぶれてどっちかっていうと、そっちの方が面倒だったのよ」

と、わざと眉間に皺を寄せた。

「そうよ。
美羽ちゃんの酔っぱらって寝ちゃった姿なんて、男性にとったら癒しだったわよ。
本当に可愛かったわ」

いつの間にか出社していた金子さんが口を挟む。

「あれ?
金子さん、今日すっごく早くないですか?」

驚く藤井さん。

「終わっていない仕事が気になっちゃってね」

「か、金子さんにもご迷惑をおかけしてしまってすみませんでした……」

再び私が頭を下げると。

「全然よ、本当に。
気にしないで。
それより、あの時の瀬尾さんは素敵だったのよ」

ニヤッと何やら楽しそうに笑う金子さん。

藤井さんも仕方ないなあという表情をしているけれど、何だか楽しそうだ。

「私、何かしたんでしょうか……」

お姫さま抱っこ以外の失態をしてしまったのかと、こわごわ、尋ねると。
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