イジワル上司に甘く捕獲されました
「お昼休憩なんだろうけれど……。
今日は瀬尾さん、何とお弁当だったのよ~」
「お弁当?
コンビニとかのですか?」
金子さんとは対照的に落ち着いて話す藤井さん。
藤井さんが興奮するのはやはり、桔梗さんへの文句の時だけみたいだ。
「違うわっ。
私、遠目に頑張って見てみたんだけど。
綺麗で美味しそうだったわ。
手作りみたいなんだけれど、それにしては売り物みたいだったわね……。
昨晩の残り物を入れた私のお弁当とは雲泥の差」
「金子さんのお弁当も美味しそうですって。
それより、よく中身まで見ましたね……」
半ば呆れながら藤井さんが言う。
「やあねぇ。
私だけじゃないわよ、食堂にいた殆どの女の子が釘付けよ」
「でも誰も聞き出せてないんですよね?
作った方」
「……瀬尾さんが作ったんじゃないんですか?」
自分でも驚くほどの乾いた声が出た。
一瞬金子さんがビックリした表情をして、教えてくれた。
「ううん、それはないわ。
瀬尾さんって料理、本当にしない方らしくて。
むしろ嫌いなのかしら?
料理道具の名前も知らないみたいだったし」
「料理をしない男性にお弁当を作ってくれるってなると……恐らく彼女ですね」
金子さんの話の後を藤井さんが続ける。
「そうよね、莉歩ちゃんも、そう思うわよねっ。
だってお母様がわざわざ来られるっていうのもねぇ」
「それはないんじゃないんですか?
瀬尾さんのお母様って確かお仕事されてますよね?
平日の朝にはキツいんじゃないですか」
今日は瀬尾さん、何とお弁当だったのよ~」
「お弁当?
コンビニとかのですか?」
金子さんとは対照的に落ち着いて話す藤井さん。
藤井さんが興奮するのはやはり、桔梗さんへの文句の時だけみたいだ。
「違うわっ。
私、遠目に頑張って見てみたんだけど。
綺麗で美味しそうだったわ。
手作りみたいなんだけれど、それにしては売り物みたいだったわね……。
昨晩の残り物を入れた私のお弁当とは雲泥の差」
「金子さんのお弁当も美味しそうですって。
それより、よく中身まで見ましたね……」
半ば呆れながら藤井さんが言う。
「やあねぇ。
私だけじゃないわよ、食堂にいた殆どの女の子が釘付けよ」
「でも誰も聞き出せてないんですよね?
作った方」
「……瀬尾さんが作ったんじゃないんですか?」
自分でも驚くほどの乾いた声が出た。
一瞬金子さんがビックリした表情をして、教えてくれた。
「ううん、それはないわ。
瀬尾さんって料理、本当にしない方らしくて。
むしろ嫌いなのかしら?
料理道具の名前も知らないみたいだったし」
「料理をしない男性にお弁当を作ってくれるってなると……恐らく彼女ですね」
金子さんの話の後を藤井さんが続ける。
「そうよね、莉歩ちゃんも、そう思うわよねっ。
だってお母様がわざわざ来られるっていうのもねぇ」
「それはないんじゃないんですか?
瀬尾さんのお母様って確かお仕事されてますよね?
平日の朝にはキツいんじゃないですか」