不平等な恋
気まづいな。
逃げるにしろ。道は一直線だし
隠れそうな大きな荷物もない。
顔を下に向けて歩く。
すれ違う直前に。腕を掴まれた。
それはもちろん蓮さんで。
気づいてほしくなかったのに。少しだけ嬉しくなった。
「バイト終わって
結構経つけどなにしてたの?」
1人で蓮さんのこと考えてたなんて口が裂けても言えない。
「友達と会ってました。」
橘と喋ったのはほんの数分だったのに、
嘘をついた。
「それは男?」
なんでそんなこと聞くんだろう。
どうせ興味ないくせに。
「そうですけど。‥‥ぃたっ。」
そう言うと。腕を握る力が強くなって
私は壁に押さえつけられた。
痛い。怖い。
「ちょっと。なに!?蓮さん。」
最近の蓮さんはちょっと変だ。
いつも笑ってて優しい蓮さんが
最近は怒ってばっかりだ。
これも私のせいなの?
なんで?あんたはルナと付き合うくせに。